今年も早いもので半年が経過して7月に入りました。行動がなんとなく鈍ってしまう湿気の多い梅雨の時期が明けると、夏本番。暑いながらもスカッと晴れた空を見ると、心機一転、頑張りたくなり、新しい目標を掲げたり、前向きに動き出したりする方も意外と多いのではないでしょうか?
なかには、土地家屋調査士の開業をしたいと準備を始めた方もいるかもしれません。
来たる7月31日は『土地家屋調査士の日』と制定されています。この日は平成23年6月に制定された比較的新しい記念日だといえます。そこで、今回は土地家屋調査士の仕事と開業についてまとめてみました。
土地家屋調査士の仕事について
土地家屋調査士は、現在、約1万7千人で一時期に比べると全体的に減少傾向にありますが、女性の土地家屋調査士と法人数は登録数増加傾向にあります。ちなみにですが、弁護士は約3万7千人、司法書士は約2万2千人となっており、比較的、会員数は少ないほうです。
土地家屋調査士の業務は、
- 不動産表示登記について必要な土地または家屋に関する調査や測量
- 不動産表示登記の申請手続の代理
- 不動産表示登記に関する審査請求(不服申立て)手続の代理
- 筆界特定手続の代理(土地家屋調査士が筆界調査委員としても活躍)
- 土地の筆界について争う場合の民間紛争解決手続の代理※詳細は後述
- 上記の事務について相談にのること
となっています。
また、アニメでわかりやすく紹介している動画もありますのでチェックしてくださいね。
https://youtu.be/kBtRGZh08kc
法務省管轄国家試験、土地家屋調査士試験について
土地家屋調査士試験は、国家試験で法務省によって執り行われています。年令、学歴に関係なく誰でも受験可能です。「筆記試験」、筆記試験合格者を対象とした15分程度の「口述試験」を実施し、合否を決定します。
いざ土地家屋調査士として開業!申請準備から登録までの流れ
土地家屋調査士試験に合格された方は、開業をしようとする都道府県に所在する土地家屋調査士会(単位会)を通じて日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に登録する手続きを行います。
【1】申請準備
登録申請を行うために、まずは開業をしようとする都道府県の土地家屋調査士会に相談に行きましょう。そのときに、事務所をどこに置いて良いのか?どのような間取りが必要で望ましいのか?職印はあらかじめ調製しなければならないかなど、聞きたいことはあらかじめメモして用意しておくようにします。
【2】登録申請準備
土地家屋調査士試験合格証、戸籍抄本及び住民票の写しなどの添付書類取得、土地家屋調査士登録申請書、履歴書、職印届などを作成します。
【3】登録申請書などの提出
上記2で作成した土地家屋調査士登録申請書など必要書類を添えて都道府県の土地家屋調査士会に提出します。
【4】登録
審査を経て登録となります。申請から登録までは相当期間かかります。
土地家屋調査士の開業に必要な費用はどのくらい?
開業前の経歴や開業時の事務所や事業規模は人によって異なるため明確にいくら必要です。最低このくらい必要です。と断言するのはなかなか難しいところがあります。
私が在住している福岡県を管轄している福岡県土地家屋調査士会のホームページによると、登録免許税が収入印紙3万円分、登録手数料2万5千円、入会金5万円などが必要となります。登録手数料は日本土地家屋調査士会連合会が土地家屋調査士名簿に登録するための費用です。
土地家屋調査士の独立開業では、業務の特性上、CADのソフトや測量機器も自分自身で揃えなければなりません。
また、全ての士業にいえることですが、事務所を新たに借りるときの敷金や内装リフォーム費、パソコン、複合機、デスク・チェア、書棚、応接用家具、名刺にチラシにホームページと広告宣伝費用もかかります。
ADR認定土地家屋調査士ってどんな制度?
記事の前半において、土地家屋調査士の仕事として、土地の筆界について争う場合の民間紛争解決手続の代理を行うことも紹介していました。
土地の筆界について争うとは、たとえば右となりの家から筆界について納得のいかない主張をされたときや左となりの所有者が変わるのを機に塀を設けることにしたので筆界をはっきりさせたいときなどが想定されます。
これは物理的状況だけではなく所有者の利害にも関わる業務のため、この業務を行うために必要な能力を有すると法務大臣が認定したADR認定土地家屋調査士にだけ任されるもので、弁護士と共同で受任をすることを条件として行うことができるそうです。
土地家屋調査士会が運営する「境界問題相談センター(ADRセンター)は、全都道府県50カ所に設置されているそうです。
7月31日は土地家屋調査士の日、無料相談会実施!
全国の土地家屋調査士会が「土地家屋調査士の日」に合わせ、その日を中心に「第7回全国一斉不動産表示登記無料相談会」を実施することを日本土地家屋調査士会連合会が6月27日(月)、公表しました。会場や開催日程などはこちらで確認できます。
http://www.chosashi.or.jp/activity/soudankai/img/20160731soudankai_kaijou.pdf
もちろん、現役の土地家屋調査士が相談員として対応します。
また、日本土地家屋調査士会連合会広報担当者によりますと、土地家屋調査士の日に合わせて特設ページを開設しているそうです。
https://www.chosashi.or.jp/quiz/
この機会に土地家屋調査士クイズに応募してみましょう!
7月いっぱい、特設ページの土地家屋調査士にちなんだクイズに答えて応募すると、豪華なプレゼントが当たるかもしれません。応募者多数の場合は抽選になるそうですが、当選者発表はホームページ上で行われます。なお、関係者はご遠慮くださいとのことです。
ライター 石盛丈博
まとめ
- 7月31日は「土地家屋調査士の日」で平成23年6月に制定された
- 土地家屋調査士が相談にのる全国一斉不動産表示登記無料相談会が開催される
- 特設ページが開設され、クイズに答えて正解するとプレゼントがもらえるかも