今月初旬Googleが公式ブログにて「検索アナリティクス」を全ユーザーに公開したとの発表がありました。
【参考】「検索アナリティクス レポートで精度の向上したデータをご覧になれます」
http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2015/05/new-search-analytics.html
これまで検索ユーザーのプライバシー保護の観点から「not provided」という解析不能なクエリ₍検索ワード₎が多数を表示されていました。しかし今回の変更でこの解析不能な検索ワードが表示されるようになり、以前に比べ格段にクエリ分析の精度が高まりました。一時期「参考程度にしか使えない」とまで言われたクエリ分析ですが、こうした主要な機能が復活することになり、自サイトのアクセス解析に有効な手法が再びとれるようになりました。
こうしたクエリの分析は「見方」さえ知ってしまえば、特に専門的な知識は必要ありません。士業の方で自分のwebサイトを運営されている方は是非とも活用していただきたいデータ分析です。
士業サイトのクエリ分析をはじめよう
まずこの「検索アナリティクス」をご利用になるには、Google ウェブマスターセントラルへログインする必要があります。
ログイン後、運営しているwebサイトをクリックすると下図が開きます。「検索アナリティクス」は左カラムの[検索トラフィック]の項目にあります₍下図矢印₎。
そしてこの「検索アナリティクス」をクリックすると、下図の画面が開きます。
赤線を引いたページ上部の箇所に「クリック数、表示回数、CTR、掲載順位」の4つのチェックボックスがあります。最初は「クリック数」にしかチェックが入っていませんので、それぞれのボックスにチェックを入れていきます。
これでクエリ分析の準備は完了です。
運営する士業事務所のwebサイトに「どういう検索ワードでユーザーがサイト訪問したか?」がページ下部にクエリ一覧となって表示されます。
カンタン!士業サイトのクエリ分析法
1.クエリから読み取れること
クエリの見方は簡単ですが、そこからは非常に有益な情報が読み取れます。まずは表示されたクエリの一覧を眺めていきましょう。
士業サイトの場合は、どういうワードでSEO対策しているかにもよりますが、おおむね「事務所名」₍〇〇会計事務所₎などそのものズバリの検索ワードが最も多いのではないでしょうか?
こうした検索ユーザーの特徴は、すでに自分のことを認知しているユーザーなので見込み客として一番有望なユーザーと言えます。
次いで「地域名+士業名」もしくは「地域名+法律/会計/
税理事務所」などの地域ワードとの複合ワードが多いのはないでしょうか。あるいは「地域名+遺産相続」などの「地域名+案件名」などのクエリが入ってくるかもしれませんね。
こちらの検索ユーザーは自分のことは知らないながらも、士業業務への需要をもっているユーザーです。こうしたユーザーを見込み客として取り込んでいくことがweb集客の成否に大きく関わります。
こうした「クエリ」の見方のコツは、「思いもしないクエリがないか?」をチェックすることです。と言ってもあまりにも業務内容や集客に結びつかないワードは無視します。
例えば遺産相続の相談を受けたい会計事務所のwebサイトに「終活 専門家」のようなクエリが入っているかもしれません。こうしたクエリを見つけたら「終活」に関するコンテンツ₍正しい終活ノートの作り方など₎をwebサイトに追加するなどして、さらにこのクエリからの流入を狙いに行くことができます。つまりクエリを見ることはユーザーの潜在的な需要を見出すヒントにもなるのです。
2.CTRから読み取れること
クエリそのものを観察した次に着目したいのは「CTR」の項目です。このCTRはClick Through Rateの略で「クリック数÷表示回数」のことです。つまりそのクエリで検索され検索画面に表示された時に、自分のwebサイトは何パーセントの確率でクリックされるか?を示す数値になります
このCTRを考える上で大切なポイントは、「これくらいCTRがあればいい」というものではなく「掲載順位」とのバランスです。
Googleでなにかしらのワードを検索すると、検索結果画面には最上部のリスティング広告部分を除いて10サイト表示されます。「次のページ」をクリックすると、上位11~20位のやはり10サイトが表示されます。
シンプルに考えると、表示された際ページ上部にいればいるほどクリック数は多くなります。つまりCTRは上がります。逆に言うと、ページ下部に表示されている場合CTRはそれだけで悪化します。また検索ページの2枚目₍11~20位₎、3枚目₍21~30位₎になるとさらにCTRは悪化し、検索順位が100位以下ならクリック数はほぼ0₍したがってCTRも0%₎になるでしょう。
このことから一律に「CTRは何%あればよい」ということはできません、しかし「検索順位が低いとCTRが低いのは自然な結果」ですが、問題となるのは「検索順位が高いのにCTRが低い場合」です。
この場合もいくつかの原因が考えられるのですが、その主たる原因は「ページタイトルに魅力がない≒あまりクリックしたくない」ということになります。ただしそれは一覧で並んだ時に、他のwebサイトのページタイトルに比べ訴求力が足りないという場合もありますし、検索ワードと表示されたページのコンテンツがマッチしていないというGoogle側の問題の場合もあります。
後者の場合は、時間の経過とともに自然と検索順位が下がってくるのでこちらから特にすることはありません。ですが前者の場合は一度そのクエリで検索をかけて客観的に周囲を眺めてみる必要があります。ページタイトルで他のwebサイトに見劣りしていたり、強力なページタイトルをもった他のwebサイトがあった場合はページタイトルの変更を検討する必要がありそうです。
まとめ
以上ごく基礎的な方法ではありますが、クエリ分析をご紹介しました。
特に士業事務所の公式サイトにオウンドメディアとしてブログを併設している方にとって、このクエリ分析は数多くの有益な情報をもたらしてくれるでしょう。
まだ「検索アナリティクス」をご利用になったことがない方は、ぜひ一度Googleのウェブマスターセントラルから「検索アナリティクス」をご覧になってみてはいかがでしょうか?