今月1日、海外で有名なSEO関連の情報をリリースするwebサイト「Serch Engine Land」から「SEOで成功する各要因の周期表₍原題:The Periodic Table Of SEO Success Factors₎」の最新版が発表されました。
この表が指す「成功」とは、特定のキーワードで上位表示されるためのものではなく、「検索エンジン最適化というゴールを達成するために必要な要因」を集めた表と説明されています。しかしこの表を以前の表と見比べ、変化した項目を見ることでSEOのトレンドを視覚的にキャッチすることもできます。
実際にSEOに関するトレンドは180度ひっくり返ることも珍しくなく、かつては「被リンク数が多ければ多いほど有利」と言われていたトレンドも現在では「不自然な被リンクを醸成する行為はペナルティ対象」となっています₍=ペンギン・アップデート₎。
というわけで、webサイトを運営されている士業の方はぜひこちらの「SEOで成功する各要因の周期表」からSEO施策の最新のトレンドをキャッチし、より効率的なサイト運営のヒントとしてご参考ください。
「SEOで成功する各要因の周期表」の見方
この周期表の見方はとてもシンプルです。
それぞれの元素記号に見立てられた各項目の右上の数字に着目しながら、「+3₍もっとも重要なこと₎」と「-3₍やってはいけないこと₎」を確認していきます。
全体の構成は「ON-THE-PAGE-SEO」₍内部SEO施策、紺色₎と「OFF-THE-PAGE-SEO」₍外部SEO施策、淡い緑₎、赤色の項目は「ペナルティの対象となり得る要因」で3つに分類されています。
▼「+3」評価がつけられている代表的な要因
・内部SEO_「コンテンツのクオリティ」、「ユーザーが検索するワードのリサーチ」、「ページタイトル」など
・外部SEO_「webサイトのオーソリティ₍権威性₎」「良質なリンク」など
▼「-3」のやっていけない評価がつけられている主な要因
・内部SEO_「クローキング₍クローラーに実際の表示とは異なるコンテンツを見せる行為₎」
・外部SEO_「買った外部リンク」、「スパムリンク」
これらはSEO対策の基本的な部分なので、たくさんの書籍やサイトで解説されています。ここで改めて詳述することはないでしょう。
個人的に意外だった項目は、今年の4月に「モバイルゲドン」と呼ばれるwebサイトのモバイル対応の項目が「+2」評価にとどまっていることです。実際にモバイルゲドンの順位変動はページ単位で行われるため、影響は軽微だったという総括が行われつつあります。
その一方で今後モバイル対応の士業サイトが「当たり前」の水準まで普及したとき、モバイル未対応のサイトは相対的に不利になることは間違いありません。今後の状況によっては「+3」に評価が上がる可能性が高い項目ではないでしょうか。
また興味深いのは「ソーシャルネットワーク上のシェア状況」が「+1」と控えめな評価になっていることです。FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークでコンテンツが話題になることはさほどSEO的には重要ではないと「Serch Engine Land」およびこの周期表を作るために協力した400人近い回答者たちは考えているようです。
₍一方で「Sr」[ソーシャルメディア上での評判]は「+2」評価です₎
SNSはあくまで顧客との「コミュニケーションツール」であって「SEOのためにSNSを活用しよう」というアプローチはどこか本質からズレているということになりそうです。
「SEOで成功する各要因の周期表」の主な変更点
続いて2年前にリリースされた周期表からの主な変更点のうち、興味深いものをいくつかピックアップします。
・webサイトおよびドメインの運用年数₍前+1→+2₎
これは「オールドドメインが強い」という安易なことではないと思いますが、webサイトのオーソリティという意味でやはり運営年数はそれなりに大事な要因だと考える回答者が多かったようです。₍Th₎
・サイトに定期訪問するユーザー数₍前+2→+3₎
「Ph₍Personal+Hitory₎」の項目が「+2」評価から「+3」へ上昇しています。こちらはGoogle アナリティクスなどのアクセス解説ツールを用いれば簡単にチェックできます。Googleアナリティクスの場合は「新規セッション率」や「Returning Visitor」の項目でリピート率を確認できます。
ただ「リピート訪問者が何割いればいいのか?」という単純な程度問題ではなく、またwebサイトの目的やテーマによっても適正なリピート率は大きく変わると思います。訪問者がwebサイトを再訪する一番大きな動機は「更新されているコンテンツの閲覧」ですので、定期的に更新される魅力的なコンテンツはwebサイトのリピート訪問率と密接な関係があります。
webサイトを実際に運営をすると、いくらSEOに効果があると聞いてもすべてを施策していくことは不可能だと思います。そのためにもSEOのトレンドをふまえた効率的な労力配分は大切になってきます。
士業サイトにとってSEOのゴールとは?
「士業界の競争激化」がささやかれる昨今ですが、そもそも多くの士業の場合、問題となるのは同業者の多さというよりも、依然として顧客との間に横たわる「不透明感」だと見ることもできます。
(出典:日弁連「市民の法的ニーズ調査白書」)
上図の士業サービスを利用する上での「ためらい」も、「どんな人にプライベートな相談をすることになるのか?」という相談相手の「顔」が見えないことに対する不透明感、料金に対する不透明感、そして士業と依頼者間にある情報格差、などに基づいているのではないでしょうか。
SEOのゴールを突き詰めると「webサイトがユーザーフレンドリーであること」に行き着きます。上記のような不透明感を払しょくできるwebサイトを目指すこと、これもまた士業にとってのSEOのゴールのひとつではないでしょうか。
まとめ
- SEOのトレンドをキャッチして効率のいい労力配分を
- あくまでSEOは「ユーザーフレンドリー」なwebサイトがゴール
- webサイトのコンテンツとして「不透明感」を払しょくすることも士業サイトのゴールに