「データ管理にはEvernoteが便利」という声をお聞きになったことがある方も少なくないかと思います。無料で提供されているEvernoteは、去年の5月には利用者が1億人を突破し、いまなお勢いの衰えないデータ管理アプリです。既にヘビーユーザーになっている士業の方もいらっしゃるかと思いますが、まだ使ったことがない方の中にはEvernoteの良さがイマイチ分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
たしかにEvernoteは便利便利と言われながら、その高機能性/汎用性の高さゆえ何が便利かよく分からなかったり、どう活用していけばいいのかが分からない、という声も耳にします。ここでは基本的なEvernoteの仕組みの説明から、士業の方が業務に活用できる便利機能まで、実際に普段Evernoteを利用している1ユーザーの視点から分かりやすくご説明します!
Evernote初心者は「ノート」さえ知っていれば問題なし!
Evernoteを開くと白いノートが表示され、そのノートにはテキストを打ちこんだり、画像、音声、Webページを張り付けることができます。これが基本的な機能で、Evernoteは言ってしまえばシンプルで高機能な「メモ帳アプリ」なのです。何も難しいことはありません。これさえ知っていればEvernoteの理解は半分以上達成したと言えるでしょう。
「ノートブック」と「タグ」ってなに?
初心者が最初によくつまずくEvernoteの機能として、「ノートブック」と「タグ」があります。この2つを簡単に説明すると、
ノートブック・・・PCでいう「フォルダ」のようなもの。
タグ・・・ノートに張り付ける付箋のようなもの。
ノートブックにはノートを入れてノートをざっくり分類できます。また、1つのノートに対してタグは無制限に付けられるので、後述する検索機能を用いるときに使える目印と考えていいでしょう。ノートが何百枚も溜まってきてそろそろ分類したいなーと思ったときには、この二つを使ってみるといいかもしれません。
ただし、Evernote使い始めの段階ではほとんど必要ないですし、無理にどちらも使いこうなそうとする必要はありません。Evernoteのホームページには実際にEvernoteを使い続けている弁護士や大学教授の活用術が載っています。中にはタグは一切使わずにノートブックだけを使う、というようなその人に合った自由な使い方が紹介されているので是非参考にしてみてください。
ところでここまででこんな疑問を感じる方もいるのではないでしょうか?―ただのメモ帳アプリに何の魅力があるのか。Evernoteの醍醐味はそのデータ管理のしやすさ、にあります。
Evernoteの醍醐味は「強力な検索機能」
Evernoteの最大の魅力は、なんといっても文字検索機能です。ノートに書き込んだテキストの検索はもちろんのこと、張り付けた画像ファイルやPDF、ウェブページの中の文字検索まで出来るのです(ただし、一部ファイル形式のノート内検索機能は有料)。通常の文字検索機能はテキスト形式の文字しか認識できないものが多いですが、Evernoteは画像に写った文字まで解析して認識できるのです!
上図は実験として、筆者が某コンビニで購入した烏龍茶のパックをスマホでスキャンし、Evernoteに取り込んだものです₍左₎。そしてEvernoteで「烏龍茶」と検索すると、しっかり文字認識をして検索結果に表示されました₍右₎。
このように検索したい言葉を打ち込むと、全てのノートの中から該当する文字を探し出してくれます。たとえば士業事務所の定期刊行物を作っているときに、昔どこかのWebページに載っていた統計情報を使いたい時があるかと思います。その統計情報をインターネットで探し直すのは一苦労ですが、あらかじめEvernoteにそのWebページ自体を張り付けておけば、「統計」というワードでノート内検索がかけられ、すぐに目的のデータまで辿りつけるのです。
ブックマーク感覚で気になったデータや記事を目にするたびEvernoteにWebページを張り付けておくことを習慣化するだけで、いつでも欲しい情報にアクセスできるのです。
Evernoteでは名刺の中の文字も一発検索
士業のみなさまにとってEvernoteは名刺をデジタル管理出来るのも大きな利点になると思います。先述のように名刺をスマホで撮影してEvernoteに取り込んでおけば、画像の文字認識機能によってすぐさま検索がかけられるので名刺のメールアドレス情報が必要な時などに便利です。
名刺以外にも領収書、旅客券などあらゆるデータをスマホで撮影してEvernoteに取り込んでおくと、確定申告の時期役立つこと間違いなしです。
Evernoteは1ヶ月にアップロードできるデータ容量が無料版では60MBと上限があるものの、保管しておける容量は無制限です。テキストファイル形式のデータの中心ならまずこの容量で不自由することはないでしょう。また検索機能を使いこなせば、自分だけのインターネットのような感覚でEvernoteに情報を保管しておくことが出来ます。
Evernoteの「ノート」または「ノートブック」は顧客と共有できる
Evernoteではインターネット上で自分のノートを他の人と共有したり、一般公開することが出来ます。「共有用ノートブック」を作ってそこに共有したいノートを入れておけば、複数のノートの共有も簡単です。Evernoteを利用していない人ともURLを介して共有できるのが大きな特徴で、顧客や職場への情報共有が気軽にできるようになっています。
ここでは、試しに当社エムハンドのEvernoteアカウントからひとつ、ノートを共有してみます。Evernoteに登録していない人でも下記URLからノートを見ることができますよね。
http://www.evernote.com/l/AhgQd9B8Hk9Acbu-x8F2iosTXjCPEwd8vLM/
このように簡単にノートを共有できるだけでなく、リンクを削除するのも公開者がワンクリックで出来るので積極的にノート/ノートブックの共有を使っていきましょう。
いろんなデバイスからデータベースにアクセスできる
EvernoteはPC限定のアプリではなく、スマホやタブレット用のアプリもリリースされています。これにより、一つのアカウントさえ作ってしまえばいろいろなデバイス間の共有がしやすくなります。たとえば、自宅のノートPCで作った提案書を、電車で通勤しながらスマホで確認し、顧客訪問先の事務所でタブレットから開き…というような使い方が出来るのです。もちろんスマホ・タブレット上で編集も出来るので、場所を選ばず、すぐに内容の変更やノートの削除が可能です。
今回のまとめ
- Evernoteはシンプルで高機能なメモ帳アプリ
- 画像やPDFファイルの文字検索までできる強力な検索機能が最大の魅力
- 名刺、領収書、レシートなど、あらゆるデータをこまめに取り込んでおけば、確定申告時も便利
- Evernoteをやっていない他人ともデータ共有ができる
- PC、スマホ、タブレットからアクセスができて何処にいても編集が可能