リスティング広告を使っている人の中には、「できるだけコストを抑えて、クリック率を少しでも上げたい!」と、色んな小ワザを試している人もいるはずです。
広告運用の小ワザは、ネットで検索してもたくさん出てきますが、本当に効果があるのか疑わしくなったり、具体的な結果のデータが見たくなったりしますよね。
そこで今回は、リスティング広告で推奨されている3つのテクニックを、当社のホームページで実際に使ってみて、効果を検証してみました。
その際の結果データを交えつつ、実際に効果があるものなのか考察してみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
※当社の主な業務はホームページ制作です。業種により効果が変わる可能性もありますことを、ご了承ください。
1.「コールアウト表示オプション」「構造化スニペットオプション」この2つを使えば、本当にクリック率はアップするのか?
リスティング広告をお使いの人なら、広告の内容を強化してくれる「広告表示オプション」についてはご存知の人も多いでしょう。しかし、Google AdWordsならではの機能である「コールアウト表示オプション」や、「構造化スニペットオプション」まで使っているという人はそこまで多くないのではないでしょうか?
この2つの機能は、広告の中にサービスの特徴などの具体的なPR文言を入れることができます。当社でこのオプションを実際に使ってみたデータをご紹介していきます。
検証結果:クリック率アップと掲載順位の上昇を確認
当社の事例では、2つのオプションを使うことで、クリック率をアップさせることができました。
実際の数字が下の図で確認できます。
■オプション導入前のデータ
■オプション導入後のデータ
・クリック率が1.33%から2.47%にアップ(+1.14%)
・平均掲載順位が4.9位から2.9位に上昇(平均掲載順位が2位上昇)
※CPCを30円上げている。
※検証期間:導入前2/1~2/15、導入後2/16~2/29
※広告文は期間中変更なし
考察:クリック率がアップした理由は?
クリック率が改善された理由としては、ユーザーが見ている画面上で当社の広告が表示されるエリアが、下の図のように縦方向に広くなったためと考えています。
赤い点線枠で囲ってあるエリアが、コールアウト表示オプションと、構造化スニペットオプションが適用された部分です。広告の幅が縦に約2倍程度に大きくなっていますので、目立ちやすくなります。その上で、オプションにより追加された文言によって、訪問者に興味を持ってもらえたため、クリック率がアップしたと考えられます。
以上の検証結果から、AdWordsで平均掲載順位を1~4位で運用されている士業の方は、ぜひ試してみてください。
2.「DSA(動的検索広告)」で、クリック率アップやお宝キーワードの発掘はできるのか?
次に使ってみたのは、DSA(Dynamic Search Ads)と呼ばれる動的検索広告です。DSAでは、自サイトに含まれるテキストをGoogleが自動で解析し、関連性の高いキーワードを自動的に選んでくれます。そのキーワードでユーザーが検索したときに自サイトの広告が表示されますので、広告が興味を持ったユーザーの目にとまりやすいのがメリットです。
実際に運用してみて、どんなキーワードが選ばれるのか、広告効果はアップするのかを検証してみました。
検証結果:当社の事例では運用に失敗
結論から言うと、当社の場合は、DSAは予想外な形で失敗となってしまいました。
原因は後述しますが、ホームページ制作を行っている当社のサイトで、大きく反応したキーワードはスポーツのテニスに関係するものばかり。
そのときのデータが下の画像ですが、上位のかなりの範囲をテニスの関連ワードが占有してしまっているのが分かります。全米オープンテニスや錦織圭について調べている人に対してホームページ制作の広告を表示しても…結果は明らかですよね。
■DSA運用期間のデータ
■広告が表示されたキーワードの一覧
なぜなのか理由を調べてみたところ、検証を行った当社のサイト内で展開しているオウンドメディア「ヒルメシマエブログ」に、テニス関係の記事がアップされており、これが原因と分かりました。Googleのシステムがホームページの構造をたどってキーワードを自動で選定する際に、トップページのリンクからこのメディアの記事も対象にしてしまっていたようです。
全く予想外の結果となりましたが、これもひとつの経験と言えそうですね。これから運用を考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
考察:士業サイトなら高い効果が得られる可能性も
DSAは、Googleのシステムが自動的にキーワードを選んでくれますので、自分では気づいていないお宝となるキーワードが発掘できる可能性もあります。ただし、当社の場合はホームページ制作が主業務であることもあり、すでに有望なキーワードはひととおり顕在化していましたので、結果につながりませんでした。
しかしながら、士業の中でも、弁護士サイトならある程度の効果が期待できるのではないかと思われます。理由としては、弁護士サイトは地域名や電車の駅名といったエリア系キーワードと、遺産相続、離婚調停など案件系キーワード、安い、女性弁護士などのオプション系キーワードを複合させて検索されることも多いため、有効と思われるキーワードの組み合わせが、手動で登録するには手間がかかりすぎるほど多くなることがあるからです。
DSAを導入すれば、エリア名などを絡めて複雑なキーワード構成で検索してきた人にも、効率的に自サイトの広告を見てもらうことができます。とにかく多くの人にホームページを見てもらいたい、というときには、試してみる価値のあるオプションと言えそうです。
3.「最適化ツール」に素直に従うと、改善効果は得られるのか?
最後に、リスティング広告の運用中に、サービス提供元から勧められることがよくある「最適化ツール」は、実際どれぐらい役立つものなのかを検証してみましたので、その結果をご紹介します。
検証結果:最適化ツールによりクリック率アップを確認
結論としては、当社サイトの場合は、意外にもクリック率のアップにつながりました。
■最適化ツールの施策を実行したあとのデータ
- クリック率が2.47%から2.85%にアップ
- 平均掲載順位は2.9位のまま変わらず
考察:最適化ツールは意外と効果がありそう
実際に最適化ツールが推奨してくれて、効果があったと思われる提案には、当社の場合は次のようなものがありました。
・タイトルをより目立たせるために、広告文の長さを微調整する
・広告をより上位枠に表示させるために、CPCを調整する
・おすすめの金額設定を、3円単位など具体的かつ細かく提案してくれた
リスティング広告運用の小ワザは、自分なりに調べて色々やってみても、ある程度最適化が進むと大きな効果が得られず行き詰まってくることが多いものです。そんなときに、最適化ツールが推奨してくる施策を素直に実行してみると、意外と効果がありそうです。
今回のまとめ
リスティング広告は、業種や地域など、サイトがおかれている条件によって効果が変わることも多いです。最適化の小ワザについても、試してみてはじめて効果が分かることも多々あります。
インターネット上の広告は、オプションの効果の測定も、短期間でハッキリとした数字が確認できるのもメリットです。
今回公開させていただいた当社の事例も参考にしていただき、興味のあるオプションは積極的に試してみることをおすすめします。