SEOを考える場合、単純に特定のキーワード対策をとるだけでなく、対象サイトのタイプやその特徴を理解しておくことが重要となります。サイトのタイプに適したキーワードを選択することで、より効果的なSEO対策が可能となります。
以下このキーワードの選び方で基本的な事項を考えてみましょう。
サイトのタイプや特徴を知り、対策キーワードを明確にする
サイトのタイプは大きく分けて3つあります。それぞれのタイプで効果的なキーワードの選定方法が異なるため、サイトに合わせた対策キーワードを選択することが重要です。
■縦型検索サイト
「縦型検索サイト」には、不動産や求人サイトなどが挙げられます。こういったサイトの場合、ユーザーが物件や求人に対してどこまで検索するのかを想定してページを作成する必要があります。また、掛け合わされたキーワードに対応するページも想定して作成しておくことが重要です。
■サービス・ソリューションサイト
「サービス・ソリューションサイト」は、自社のサービス名や造語を用いていることが多いため、ユーザーがどういうキーワードで検索すれば良いのかわからないというケースがあります。この場合、結果的に検索されにくいサイトになってしまっている可能性があります。そのため、ユーザーが検索しやすいキーワードは何かを考え、それをサイトに取り入れていくことが重要です。
士業サイトはこのタイプになります。この際考えるべきキーワードは「住宅瑕疵」という専門用語ではなく、一般の方が検索する「欠陥住宅」というワードを想定することです。
■メディアサイト
「メディアサイト」には記事コンテンツを主としているサイトが多く、パターン化された対策キーワードを入れることが困難となっている場合があります。この点、記事ごとにキーワードを含め、類似の記事コンテンツをまとめることでビッグキーワードを狙うことが可能となります。
サイト作成やSEO対策を行う際に、サイトのタイプや特徴をしっかりと把握することでキーワード選定をスムーズに行うことが可能です。
SEO対策ではユーザーを想像することが重要
検索キーワードを選定する際は、具体的なユーザー像を想像することが重要です。ユーザーがどのような人物でどのような検索を行うのかを明確にすることで、SEO対策に有効なキーワードを選ぶことが可能となります。
例えば、士業サイトを運営していて「遺産相続」というキーワードへの対策を考えていると仮定します。「遺産相続 東京」、「遺産相続 会計事務所」などは検索エンジンにて入力されやすいキーワードであるため、重要性が高いといえます。
とはいえ、競合サイトが自身のサイトよりも検索エンジンからの評価が高い場合、このようなキーワードで対策を行っても上位に表示されないケースが考えられます。また、アクセス数の少ないニッチキーワードで対策を行って上位表示されたとしても、そもそも検索するユーザーが少なければ多くのユーザーをサイトに誘導することは困難です。このような場合には、施策を行うキーワードの範囲を拡張することが望ましいといえます。
例えば、「遺産相続」という対策キーワードに「麻布十番」、「トラブル」、「税金」、「確定申告」、「放棄」などの関連キーワードを含めることで、より幅広いユーザーを集めることが可能です。他にも、「節税」や「アドバイス」などの相談内容を意味するキーワードや、「無料相談」、「格安」などの価格帯別を意味するキーワードを対策に加える方法も効果的です。これにより、多くのユーザーに検索され、集客することが可能となります。
なお、サイトのコンテンツを作成する際に有効な対策キーワードが思いつかない場合は、「キーワード選定ツール」の使用がおすすめです。どのようなキーワードで検索されているのか、ユーザーの求めている情報はどのようなものであるかといった傾向を把握することが可能で、適切なキーワードの選定の一助となります。
また、このようなツールではキーワードの選定だけでなく、キーワードボリュームも調べることが可能です。自身のサイトを訪れるユーザーの目的や行動などを分析することで、適切なSEO対策が可能となります。
キーワードの種類を把握する
キーワードには「ビッグキーワード」と「スモールキーワード」があります。検索の回数が多いものはビッグキーワードと呼ばれ、これに対して「遺産相続 相談 品川」などのように細かく指定されているものはスモールキーワードと呼ばれます。こうしたキーワードの種類はSEO対策を行う際に必ずといってよいほど目にすることになります。
■ビッグキーワード
検索回数が多いビッグキーワードを対象としてSEO対策を行うことで、場合によってはサイトの検索結果で上位表示させることが可能となります。しかし、競合サイトが多くあるため、自身のサイトが上位表示されるには時間がかかり、金銭的にも大きな負担となることがあります。
■スモールキーワード
単語数が多いスモールキーワードは「複合キーワード」ともいわれ、ビッグワードと比べると検索回数が少ないという特徴があります。もっとも、競合サイトの数が少数になることから、上位表示されやすいといった特徴もあります。なお、検索される情報が具体的なため、明確な目的をもったユーザーを集客しやすいという点がメリットとなっています。
■複合キーワードの応用
検索エンジンにて複合キーワードを入力する際に、キーワードの順番を入れ替えて検索するユーザーもいます。「遺産相続」を例に出すと、「遺産相続 赤坂」、「赤坂 遺産相続」という入れ替えです。この2つの方法で検索すると、それぞれでほぼ同じ数のサイトがヒットします。しかし、微妙な差ではありますが、サイトタイトルに入っているキーワードの並びと検索キーワードの並びが同じであるサイトが、上位表示されやすいといわれています。
こういったことから、対策キーワードだけでなくキーワードの並びを考えることも重要であることがわかります。
■ロングテールキーワード
アクセス数の少ないキーワードである「ロングテールキーワード」も重要です。これは、ニッチキーワードとも呼ばれています。こうしたキーワードを多く集めることで、人気の高いキーワードよりもアクセス数を伸ばすことが可能となります。極めて多くの集客を見込めるというわけではありませんが、安定した集客を実現するためにも、ロングテールキーワードは重要となります。
なお、キーワードだけでなくサイト内で販売する商品やサービスにおいても、ニッチなものが集客の安定化に重要だといわれています。現在、大手通販サイトの売上の80%を占めている商品がニッチなものであるといわれており、このことからロングテール商品やロングテールキーワードの必要性がわかります。また、ロングテールキーワードを利用して質の良いコンテンツを作り、上位表示を続けていくことで、検索エンジンからはユーザーにとって有益なサイトであると認識されるようになります。
今回のまとめ
このように、サイトに関連するキーワードを単純に設定するのではなく、細かなターゲット選定やサイトの特徴に合わせてSEO対策を取ることで、効果的な施策を図ることが可能となります。
SEOを考える上でキーワードの選定は非常に大切です。まずはスモールワードやニッチキーワードで検索上位を目指してみましょう。