一口に士業といっても実に様々な方がいらっしゃいますが、そんな中でも山本憲明税理士はユニークな士業の一人と言えるでしょう。ベストセラーである「『仕事が速い人』と『仕事が遅い人』の習慣」等の著書を持つ傍ら、馬主としての顔を持つ山本税理士。
1つの分野にこだわることなく、多方面で活躍する裏側にはどのような努力や苦悩があるのでしょうか。
今回は「税理士×著作家×馬主」という経歴が異彩を放つ山本憲明税理士にインタビューをさせていただきました。
■「馬主税理士」山本氏にインタビュー
馬主について
Q.山本氏は税理士業務のかたわら馬主をされていて、非常にユニークなプロフィールをお持ちです。どのような経緯で馬主をすることになったのか、お教えください。
A.昔から競馬が好きで、馬主になりたいと思っていました。そのため(だけではありませんが)に税理士になったような感じかもしれません。税理士で何とか食べていけるようになり、一口馬主からはじめて現在は地方競馬の馬主をしています。
Q.馬主は税理士業務にどのような刺激を与えてくれますでしょうか?
A.まず、馬主仲間の方の申告のお手伝いをしたりして、仕事を直接いただいたりもしています。刺激と言う意味では、馬を買い、維持する(お金がかかります)ため仕事を頑張ろうというモチベーションに繋がることでしょうか。馬の応援に行くため、仕事を短時間で頑張ろうという気持ちにも繋がります。
Q.馬主を通して業務に繋がるヒントを得られることはありますか?
A.税理士と馬主は全く違うものですが、どちらも事業として、同時に投資対象としてとらえています。相乗効果はそれほどありません。
Q.ブログを拝読したのですが、出資している馬(グレープブランデー)が優勝したときどのようなお気持ちでしたか?
A.出資馬がG1レースを勝ったときは、それは嬉しいの一言です。
Q.馬主をしている中での苦悩があれば是非お教えください。
A.馬主の苦悩・・・苦悩だらけです。基本的に馬主をやっていれば、10回に1回勝てればいい方です。ほとんど負けますので、応援に行って負けると帰るのがつらいです。また、毎月の預託料がものすごくかかりますので、馬が活躍しなければ、経済的に厳しくなってきます。どうしようか、悩む毎日です。
本の執筆活動について
Q.本の執筆活動に関して、どのように企画を考えてらっしゃいますか?また税理士業務を行いながらどのように執筆の時間を作られているのでしょうか?
A.企画については、常に何か書けないか考えています。「税理士業務をやり、残りの時間で執筆を」と考えていると永遠に書けないので、主に早朝や午前中、時間を取って執筆するようにしています。
多方面での活躍について
Q.山本様は税理士としてだけではなく、著作家・馬主としても活躍されていますが、一つの分野ではなくいくつかの分野で活躍するヒントがあればお教えください。
A.まだまだ活躍しているとは言えませんが・・・本当は一つの分野に全力を尽くす方がいいと思っています。僕の場合は、色々やりすぎていて大変ですが、やるときは一つ一つにしっかり向き合ってやろうと思っているだけです。
これから税理士業はもちろん中心としてですが、執筆業に力を入れていきたいと思っています。馬主や馬券についてはいったん縮小し、もう少ししっかり仕事が出来るようになってから、また改めてやっていこうと思っています。
ソーシャルメディアの活用について
Q.山本様が普段メルマガやSNSを活用する際に気をつけているポイント、また活用前と比べた時の変化があればお教えください。
また差し支えなければこうしたWEBからの集客の割合は、全体の何割程になるかお教えいただけますでしょうか?
A.最近はあまりメルマガやSNSを仕事に活用しておりません。開業当初にメルマガとブログをやって、お客様の増加に繋がったのですが、その後は既存のお客様とのお付き合いを重視しています。
今では、新規のお客様については、WEBからと紹介の割合が半々、もしくは6:4(WEBが6)程度だと思います。とはいえ、最近ではほとんど新しいお客様が増えませんが・・・。
今後の展望について
Q.今後の税理士としての山本様・馬主としての山本様の展望をそれぞれお教えいただけますでしょうか。
A.税理士としては、今のボリュームで既存のお客様に向き合ってしっかりやっていきたいと思っています。馬主は儲けるのがなかなか難しいこともあり、この先5~10年は縮小して、もう少し資金を作ってからまた改めてガッツリ始めるような形にしたいと考えています。どうなるかはわかりませんが…。
今回のインタビューを通して
「馬主税理士」と聞くと士業の堅いイメージから思わず意外性を感じてしまいますが、既存のお客様への手厚いサポートを欠かさない税理士としての山本氏の顔、著作家としての山本氏の顔、そして馬主として「好き」を仕事にする山本氏の顔を見ることができました。
「馬主になるため」という理由だけで税理士になったわけでははないにしても、税理士としての仕事のモチベーションを生み出す泉の役割を「馬主」の仕事が果たしているのだと感じました。
税理士・文筆家としてももちろんですが、馬主としての山本様の更なる御活躍が楽しみです。
インタビュイー
■山本憲明税理士
税理士、中小企業診断士、気象予報士。
山本憲明税理士事務所代表。H&Cビジネス株式会社代表取締役。(プロフィールは山本憲明税理士事務所HPより抜粋)