士業として開業しホームページを立ち上げたにもかかわらず、思ったように集客で結果がでない…。そのようなお悩みを抱える方は少なくないと思います。結果を出せるサイトとそうでないサイトにはどのような違いがあるのでしょうか?
結果を出せるサイトの共通点の一つとして、「マーケティング視点」をしっかり意識し続けているという点があります。集客サイトで大切なマーケティング視点。この視点を常に持ち続けることは集客サイトを制作する上での基本です。しかし、サイトの運営は継続的なものなので、いつのまにか作業ベースになってしまうこともしばしば。インターネット上にはマーケティング視点が抜け落ちているサイトも少なからず存在しているのです。そこで今回は忘れがちなマーケティングの基本である、3つの視点についてお話したいと思います。
「マーケティング視点」とは?
「マーケティング視点」を持つということは、さまざまな立場からマーケティングを考えるということです。この視点をないがしろにしてしまい、一方的なマーケティングになってしまっているケースが、意外と多いものなのです。
具体的にはどのようなケースがあるのか、考えてみましょう。ある士業事務所の経営者が顧客目線でマーケティングをするとします。たとえば、「どこよりも専門性と信頼性が高いソリューション情報を発信する集客サイト」を作りたいと考えています。では、もし見込み顧客の大半が専門性や信頼性を求めず、「すぐに、ポイントだけ知りたい」と思っていたらどうでしょう? 客のニーズとすれ違った彼のマーケティングは独りよがりなものとなり、成果を上げることが難しくなります。このようなすれ違いは専門性の高い職業である士業で比較的起こりやすいことなのかもしれません。自社のサービスにこだわりや情熱を持って売り込むことはとても大切ですが、「顧客-専門家」間のギャップを見逃してしまうと、思わぬ落とし穴になってしまうこともあります。
基本の3視点
マーケティング視点は「売り手₍士業₎目線」と「買い手₍顧客₎目線」だけでは不十分であり、もう一つ、「中立的な目線」が必要になってきます。マーケティング視点でものを考えるためのさまざまなフレームワークや理論がありますが、大元になる基本はこの3つの目線(売り手・買い手・中立)で考えることです。これさえできれば、かなりのことは改善するでしょう。
プロセスとしては、まず売り手目線で考え、次に買い手目線で考える。そして最後に、中立的な視点に立って考える。この順に考えるとうまくいきます。売り手と買い手との間には少なからずギャップが生まれるもの。そのギャップを中立的な目線で埋めていくのです。図にすると、このようになります。
ここで大事なことは、「マーケティング視点で物事を考えるということは、ただ買い手目線に立って考えることだけではない」ということ。「さまざまな違う視点から考えてみる」ことがマーケティング視点の本質であり、士業の事業者がやりたいと思うこと、顧客のニーズ、そして事業者と顧客との間にあるギャップなどをきちんと理解することが大切なのです。
中立的視点でギャップを埋める方法
中立的な視点でマーケティングを考えることはとても大変な作業です。しかし、現実には必ずと言っていいほど、売り手・買い手間のギャップは発生し、それをうまく埋めることが求められます。
方向性としては、士業側が顧客側に寄っていくという場合が多いかと思いますが、100%顧客のニーズに寄り添う必要はありません。先ほどの例で言うと、士業は「専門性、信頼性」を重視し、顧客は「スピード、わかりやすさ」を重視していました。この場合、「専門性、信頼性」をある程度保持しながら「スピード、わかりやすさ」を押し出す方法を考えます。
例えば、難しい話を噛みくだいてくれるライターに記事を書いてもらう方法もあるでしょうし、先にポイントだけを伝えてしまい、強い関心を持った人に向けて詳しい解説を読めるようにするといった情報の伝え方もあります。また、セミナー形式の動画にすることで、難しい話も速くわかりやすく伝えられます。このように、両者間のギャップを明確にして、中立的な視点からギャップを埋める方法を探していきます。試行錯誤の繰り返しのなかで、成果を生む新しいアイデアが生まれるはずです。
今回のまとめ
- マーケティングは売り手₍士業₎目線、買い手₍顧客₎目線、中立的目線の3つの視点で考えるのが基本。
- まずは士業目線で何がしたいかを考え、次に顧客目線に立って考える。
- 士業₍専門家₎と顧客のギャップは中立的目線で埋める。
士業サイトで重要なのは「コンテンツの質を上げること」だとよく言われますが、良質なコンテンツは、顧客のニーズと合致して初めて完成します。
がんばっているのだけど、うまく集客につながらない……。そんな時は一度原点に戻って、3つの視点を見直してみてはいかがでしょうか? そこに解決のヒントがあるかもしれません。