有資格者が増え、新しく開業するライバルの数も増加の一途をたどる士業業界。いままでのように、待っていれば顧客が訪ねて来てくれた時代は終わり、積極的な営業活動が必須となっています。
そんな中で、若い世代を中心に、WEB集客で成果をあげる方が増えていますが、その世界はめまぐるしく変化を続けています。ホームページを作り、検索エンジンで上位表示させればユーザーが獲得できていた初期段階は終わり、現在では、より明確な強みを打ち出してライバルとの差別化をはかり、ユーザーのニーズに応えられるWEB集客が求められているのです。
激化する競争を勝ち抜き、確実に顧客をつかむための5つのポイントをお伝えします。
士業のWEB集客を成功させるための5つのポイント
1:ユーザー像をより詳細に、より明確に設定する
これまでの士業業界では、営業をせずとも顧客が来てくれる時代が長かったため、自分たちがどんな案件に強く、どんな特徴を持ったユーザーのニーズによりよく応えられるのかを改めて考えてみたことがない、というケースも多いと思います。しかし、WEB集客での成功には自分たちの強みの明確化、そして、それに適したユーザー像の細分化が欠かせません。
たとえば、相続税の相談で税理士事務所を訪れる顧客像を考えてみましょう。
一般的なのは
- なるべく子供たちに負担をかけず、先祖代々の土地建物を残したい80代の老婦人。
- 父は他界、健在の母も施設に入居済みで、実家を処分し、土地活用を考える50代夫婦。
- 土地の物納を希望している40代半ばの兄弟。
といったイメージでしょうか。
しかし、中には
- 両親が急死し、急遽継ぐことになった田舎の土地とその相続税に悩む30代独身女性。
- 幼少の頃に別れて音信のなかった実父の財産を突然相続することになった20代の男性。
といった若い顧客もいるかもしれません。また、こうしたニッチな顧客ほど、WEBで情報を得たいと検索している可能性もあります。
さて、あなたの事務所ではどんな実績があり、どんな人の相談に強みを発揮できるでしょうか。 このぐらいユーザー像を具体的に細分化すると、ユーザー側も、これは自分に向けて発信されている情報なのだと認識しやすく、ここに任せれば安心という思いが芽生え、問合せや相談につながりやすくなるのです。
2:1サイト・1サービスの原則
ユーザー像を細分化したところ、どのタイプのユーザーにも対応できるし、今までもしてきたという場合が出てくると思います。ターゲットを一つにしぼる必要はありませんが、複数ある場合には、別々のサイトを作成したり、ランディングページを分けるほうが効果的です。
「1サイト・1サービス」。これが、これからのWEB集客の原則なのです。
3:専門性とブンランディングを意識したサイト作り
ユーザーの設定を終えたら、今度は、そのユーザーのニーズにかなった専門性を備えたサイトやランディングページを作成することが重要です。サイトにやってきた人は瞬時にその場のイメージを読み取ります。「信頼できそう」「自分に合いそう」「実績が多そう」など、好印象を抱いてもらえれば、ブランディングは成功です。逆に好印象を抱いてもらえなかった場合は、お客さんはすぐにその場を離れて別のサイトに行ってしまいます。
やって来た潜在顧客を逃さないために、専門性とブランディングを意図したWEBサイトを作ることが重要です。
士業のサイトでは、特に、打ち出している専門性にふさわしい雰囲気をサイトに反映することが大切です。また、それが重厚であろうがシンプルであろうが、どんな雰囲気であっても、信頼感を感じさせる必要があります。クオリティの高い情報、デザインで、「ここなら安心して頼めそうだ」とユーザーに感じてもらい、頼りにしてもらうのが士業のブランディングの基本なのです。
4:見る人の役に立つ情報やノウハウを惜しみなく提供する
訪問してきた潜在顧客を逃がさず、顧客へとつなげていくには、その人にとって役立つ情報を提供してあげることです。士業のサイトにやってくる人たちは、自分では解決できない問題や課題を持っており、それを相談・解決したいと思っています。そこに、「求めている答えがここにあった」と思わせる情報を提示すれば、その人は満足を得て、提供元をより信頼するようになります。
ノウハウを知っていることと、そのノウハウをもって実際に問題を解決することはまったく別物です。ユーザーがそのノウハウを得て、解決できた気になっても、やはり、実際に問題を解決しようと思えば専門家の力が必要になってきます。
これまで培ってきた経験から得た貴重な情報を提供することで顧客を獲得する。これもまた、WEBサイトでの集客には欠かせないファクターなのです。
5:最終着地点のお問合せにつながる工夫をする
士業のWEB集客の着地点は、お問合せの獲得です。ユーザーからの信頼を得たのち、実際に問合せをする、という行動にユーザーを導くための後押しが必要です。
士業は、人と人とのコミュニケーションがメインとなる仕事ですので、「顔が見える」ことはとても重要です。たとえば、問い合わせの電話番号と時間が明記され、それと一緒に、にこやかな担当者の写真と「お気軽にお電話ください」のひとことが添えられていれば、見た人は、格段に電話をかけやすくなります。
また、資料請求や、無料ダウンロードなどを促す手法として、「今月中限定3名の無料相談を申し込む」「困りごと解決事例集 無料ダウンロード」など、「押さないと損をする」という気持ちを抱かせるようなコピーを活用する方法もあります。さらに、目に飛び込んでくる思わずクリックしたくなるボタンデザインなど、視覚的な心理効果も考慮の対象です。 最終的に、ユーザーに何をしてほしいかが明確で具体化されているか、また、そのリアクションが起こしやすい工夫がなされているかが、重要なポイントとなってきます。
今回のまとめ
士業のWEB集客を成功させるためのポイント
- ユーザー像をより詳細に、より明確に設定する
- 1サイト・1サービスの原則を守る
- 専門性とブランディングを意識したサイト作りをする
- 見る人の役に立つ情報やノウハウを惜しみなく提供する
- 最終着地点のお問合せにつながる工夫をする