これからのSEOに欠かせない要素のひとつとなった、コンテンツの質。ユーザーの目を引く、質の高いコンテンツを毎日のように考え出すのは簡単なことじゃありません。しかしコンテンツマーケティングが主流になりつつあるこの時代、どのようなコンテンツを作ればいいのか分からない、そもそも提供できるようなネタがうちにはない、とお困りの士業の方は少なくないかと思います。そこで今回は、士業サイトのコンテンツのネタ探しについて、ご紹介したいと思います。意外と上質なネタは身近にあったりするものですよ。
ネタはまわりにごろごろ転がっている
これまで当社がクライアント様のホームページ制作に携わってきたなかで、確信できることが一つあります。
ユーザーにとっての上質なコンテンツは、意外とみなさんの近くに転がっているということです。インバウンド(集客)サイトを制作されるような方々はもれなく、その道のプロであり、プロならではの情報をたくさん持っています。今まで培ってこられた経験や体験、知識、ノウハウは、あなたにとってはそれほど重要ではなくても、ユーザーにとっては非常に価値の高い情報なのです。特に士業という職業は、専門性が高く理解しづらい面もあるため、ユーザーの需要は大きいという印象です。
一次情報がないかを再検討してみる
情報には一次情報と二次情報があります。一次情報とは、自分で直接見た、聞いた、体験した情報のことで、いわば生の情報です。そして二次情報とは、間接的に聞いた、インターネットで知った、本で読んだなどの第三者を介して得た情報のことです。これは一次情報を加工した情報と言い換えられます。 ご存知の通り、インターネットにある情報は二次情報が大半です。二次情報は、信憑性が高いものもあれば、低いものもあり、重々注意しながら扱わなければなりません。その点、一次情報は比較的数は少ないものの、信憑性が高く、価値が非常に高いのです。
その道のプロが発信する専門情報は、立派な一次情報になり得ます。つまり士業のみなさんが発する専門知識に基づいた情報は一次情報たりえることになります。「みんな知っていることだろう・・・」「コンテンツにできるような価値のある情報ではない・・・」と思っていることでも、実はユーザーにとっては、どこを探しても見つけられない貴重な一次情報だったりするのです。ネタ探しに困ったときは、一歩引いて、「意外と、ユーザーは知らないのかもしれない」「もしかすると、役立つ情報かもしれない」と考えてみれば、きっとたくさんのネタが見つかると思います。
意外なところにもコンテンツはある!
では、具体的なコンテンツの例をあげてみたいと思います。ネタ探しの参考にしてみてください。
事例紹介
仕事内容の専門性が高い士業のような場合、ユーザーがサービスの説明を読んだだけでは実際の内容や流れを想像しにくいことも少なくありません。そんな時、事例紹介を使うことで、自社のサービスを効率よくアピールできます。たとえば、「ユーザーレポート」といった形で、業務実績を順序立てて詳しく紹介するのも一つの手です。これは一次情報の提供になります。
ほかにも、各事例の狙いや成果などを詳しく説明したり、「お客様の声」など第三者の言葉を借りてサービスの良さを伝えたりするのも効果的です。
お役立ちツール
「ツール」をコンテンツとしてユーザーに届けるという方法もあります。新しくツールを開発する必要はありません。たとえば、日常業務に使っているエクセルのマクロを提供するだけでも十分です。利用者が便利だと感じてくれるようなものを提供するのが理想です。ここで、実際の成功例をひとつご紹介します。
ある会計事務所では、個人事業者が自分で帳簿を作れるエクセルのテンプレートをサイトからダウンロードできるようにしたところ、継続的なアクセスにつながったそうです。無料でそのようなものを提供しては、ただ競争率が上がって、顧客が減るのでは? と思われるかもしれません。しかし、実際には、それがきっかけで事務所の知名度が上がり、有料の勉強会への参加や記帳代行サービスの契約に結び付いています。
このようなビジネスツールのほかにも、普段何気なく使っているチェックリストなど、一般の方にも紹介できそうなものはないか、今一度見直してみましょう。
アンケートデータ
インターネットで特定分野のデータを探している人は想像以上に多いものです。当社も、士業を利用する年齢層別分布や、サイト全体アクセス数のうち、PC、スマホ、タブレットからのアクセス数の割合など、知りたいことは山ほどありますが、そのようなデータはほとんど見つけられません。
最近は、手軽にネットアンケートが実施できる無料ツールも多く出てきたので、事業分野に関連するアンケートを実施し、その結果をプレスリリースとして発表していけば、それは相当価値の高い一次情報になります。広報効果も高く、ソーシャルメディアなどで口コミやリンクされる可能性もあるでしょう。
また、オープンデータを集めてわかりやすいレポートにまとめ直すという方法もあります。自社の事業分野では、誰しも独自の情報収集ソースを持っているもの。それを活かし、うまく編集すれば、十分価値のあるコンテンツとして発表できると思います。
以上、見落としがちなコンテンツの一例をご紹介しましたが、これらの他にも、コンテンツ化できそうなものはたくさんあると思います。「もしかして、あれもコンテンツになるのでは?」と思い当たるものがあったら、さっそく、試してみてください!
今回のまとめ
- 士業のみなさんは、専門性の高いコンテンツのネタをたくさん持っている。
- 一次情報こそが、もっとも価値の高い、独自のコンテンツになる。
- 自社の事業や日々の業務の中に埋もれている、コンテンツのネタを探してみよう。