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向井理さん主演ドラマ「遺産争族」のストーリー予想!相続問題で依頼すべき士業とは?

ご存知の方が多いと思いますが、本日10月22日木曜日21:00から秋の新ドラマ「遺産争族」がテレビ朝日系列でスタートします。

公式サイトによると、「遺産争族」は向井理さん演じる内科研修医の佐藤育生が、カワムラメモリアル会長を祖父に、社長を父に持つ榮倉奈々さん演じる河村楓と結婚をし、婿入りをします。ただしその婿入りはどうやら岸部一徳さん演じる楓の父、恒三による提案だったようです。(下図参照)

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そうした葬儀業界大手企業の創業一家に内科研修医が婿入りすることで、遺産相続をめぐりさまざまな攻防が展開され、今年の世相や風刺も見られるホームドラマとなっているようです。余談ですが、榮倉奈々さん演じる楓は乗馬インストラクターでバツイチなんだそうです。

そもそも法的に「婿入り」とはどういうことなのか?

これまであまり深く考えたことはなかったのですが、「婿入り」って法的にはどういうことなのか気になったので調べてみました。婿入りには大きく以下の2つあります。

  1. 1.戸籍の筆頭者を妻として妻の苗字を名乗るもの
  2. 2.妻の両親と養子縁組をするもの(婿養子)

ドラマのタイトルからして相続で揉めることが容易に想像できるため、このドラマではおそらく後者のパターンではないかと思われます。楓の父恒三も婿です。ちなみにマスオさんはフグ田姓なので磯野家と同居はしていますが婿ではないということになります。

現在判明している「遺産争族」キャストで「相続関係説明図」を作成してみました

このドラマでは、伊東四朗さん演じる創業者の河村龍太郎が被相続人となります。龍太郎には三人の娘がいます。余貴美子さん演じる長女の陽子は恒三の妻であり、楓の母親にあたります。室井滋さん演じる次女の八幡月子はカワムラメモリアルの執行役員です。そして、板谷由夏さん演じる三女の凛子は独身で写真家なんだそうです。

通常はこの3人が法定相続人で平等に配分されるのですが、婿も養子縁組をしている場合法定相続人になるため、このケースだと長女夫婦が2分の1、次女と三女が4分の1ずつ相続することになります。

s001ここでは、まだ妻である楓すら法定相続人として名も挙がってきていないのにその婿である育生が相続に巻き込まれる理由とは一体何なのでしょうか?

【ドラマ予想】恒三が自分の立場を確立するために育生を遺産争族に巻き込む説

誰でもそうだと思いますが、私が龍太郎の立場ならカワムラメモリアルの会社存続を考え創業者として営業権の根拠となる株式を分散させてしまうような法定相続はしたくないと思うでしょう。やはり混乱を招かないよう後継者を1人だけ定めて遺言を残したいと考えます。

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家系図を見ていただければわかるのですが、会長次女の八幡月子とその子で会長の孫・鈴木浩介さん演じる八幡正春の2人がカワムラメモリアルの執行役員として入っており、親子2代で会社を存続できる月子に白羽の矢が当たる可能性も否めないように思えます。

そこで育生を、河村姓を名乗る一家の跡取りとカワムラメモリアルの後継者候補として擁立して、恒三は遺言相続で真の後継者になれるようレールを敷くのだと予想します。だとすれば、意図せず遺産相続に巻き込まれてしまうことになる育生の行く末が気になりますよね。

相続内容によって依頼すべき士業は違ってくる

人生においても家族にとっても大きな共同作業となる相続には多くの士業が関与し、その専門的知識を活かして日々解決に取り組まれています。ですが、どの士業にどの相続問題を相談すればいいのか?はあまり知られていないのではないでしょうか?

そこで各相続の問題を担当する士業ごとに整理しました。

遺産分割協議書など書類作成が発生する場合は行政書士が関与

相続は基本的に遺言の内容に沿うかたちで執り行われますが、遺言によらない場合は、相続人全員で話し合い遺産分割協議書などを作成して執り行います。民法で相続分の割合は定められていますが、法定相続よりも円満に解決できる方法があるなら話し合いで割合などを変更できます。

例えば、被相続人の預金などを銀行で解約する場合も全ての相続人の同意がなければできません(印鑑証明書を添付するなど厳格なものです)。遺産分割協議書を作成し全員の同意があることを確認するのが相続のスタートラインとなります。

相続において相続税が発生する場合は税理士が関与

今年の1月1日より改正相続税制が施行され、遺産に係る基礎控除が3,000万円+600万円×法定相続人数となり、相続税の適用を受ける方は間違いなく増えることになりました。今後ますます税理士が関与する案件は増えると思います。

相続において登記が発生する場合は司法書士が関与

財産の中に、土地や家屋があったり、被相続人が代表取締役を務めていた会社があったりすれば、司法書士に相談をしたほうが良いでしょう。

相続において争いが発生する場合は弁護士が関与

遺言書がなく、話し合いがまとまらず「遺産分割協議書」が作れない場合や、遺言書はあるが公正証書遺言書ではない場合、公正証書遺言書で法定相続人以外が相続することになり納得がいかないなど争いがある場合は弁護士に相談をします。

相続内容を見極め依頼する士業を絞ればワンストップで対応してくれる場合も

ただ上を見ると「相続税も登記も発生する場合は税理士と司法書士にも依頼をしなければならないの?」と思いがちですが、士業は業務の質の向上と情報交換や自己研鑽のため、意外と他士業と提携していたり仲が良かったりします。なのでなかには各士業とチームを組んで解決にあたってくれる場合があります。

さて、ドラマ「遺産争族」では士業はどんな活躍を見せてくれるのでしょうか?個人的には、そこも気になるところです。

▼ドラマ『遺産争族』公式サイトはこちら

http://www.tv-asahi.co.jp/isansouzoku/

■著者紹介

ITC代表 石盛丈博氏

(2002年~2010年まで行政書士登録)

まとめ

  • 養子縁組をして婿入りした場合、実子と同じ法定相続分の権利が与えられる
  • 育生は当事者の意思ではなく、恒三の思惑によって遺産争族に巻き込まれる公算が大?
  • 相続は依頼する士業を絞れば、チームを組んでワンストップ対応してくれる場合もある

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