士業だけに限らず企業ロゴは、webサイトはもちろん名刺/広告/看板などなにかと活用シーンが多いものです。そもそも企業ロゴはそのブランドが唯一無二の存在であることを保証する機能を担っています。例えばAppleのリンゴマークのロゴを見ればユーザーがすぐにAppleの商品だと識別できるように、企業ロゴは単なるファッションではなくクライアントが迷わず自社のサービスや製品にアクセスできる道しるべにもなるのです。
そこで今回はひと目見ただけで印象に残るかっこいい士業ロゴをモチーフ別に集めてみました。「士業」がもつイメージと相性のいいスタンダードなモチーフから、思わず考えさせられるモチーフまでご紹介します。
モチーフ別に見る「カッコいい!!」士業ロゴ10選
■天秤をモチーフにしたロゴデザイン
こちらのロゴはウクライナにある法律事務所のロゴですが、やはり「法」や「公正」のイメージである天びんをモチーフにしたロゴは万国共通で多く見られました。上図では「天びん」とMillerのイニシャルである「M」が組み合わされていますが、Futura(フーツラ)のロゴタイプも東欧/北欧のシンプルだけど知的なイメージにマッチしてかっこいいです。
こちらはブラジルの法律事務所ですが、上と同じく天びんをモチーフにしたロゴです。この天びんに左と右で陰陽をつけてバランスを表す「太陰大極図」を組み合わせ、さらに「集団」をイメージした円で全体を囲ったロゴデザインになっています。
「法」+「バランス」+「集団」の組み合わせということで、この法律事務所のコンセプトを表すかっこいいロゴデザインになっていますね。
■ギリシャ柱をモチーフにした士業ロゴ
こちらは米国の法律事務所ですが、イニシャルの「K」にギリシャ柱を組み込んだデザインです。「法哲学」の起源ともされる古代ギリシャのイメージからか、こうしたギリシャ柱をモチーフに用いた士業ロゴも多く見られました。
またロゴタイプの「Didot(ディド)」フォントもギリシャ柱の雰囲気にうまくマッチしています。ロゴから「伝統」や「信頼感」が伝わってくるようです。
上のロゴは米国の税務コンサルタント企業のロゴですが、こちらもギリシャ柱がモチーフになっています。こちらのロゴタイプにも「Didot」が使われており、節税コンサルティングサービスを提供する企業のカッチリとした硬質な印象にすごくマッチしています。「Tax relief with Integrity」(節税を高潔さとともに)という「硬め」キャッチコピーとも一体感がとれていますね。
■盾をモチーフにした士業ロゴ
法律事務所をはじめ士業サービスは「盾(=守る)」というイメージとも相性がいいのか、盾をモチーフにしたロゴも多く見受けられました。上の法律事務所のロゴもそうした「盾」+「天びん」+「M(イニシャル)」を組み合わせた構成で、「1976年」という創業年を入れることで格式高いロゴになっています。
上図の法律事務所のロゴも盾をモチーフにしたロゴですが、白抜き部分に注目すると「だまし絵」のように裁判長が用いる「木槌」が浮かび上がってきて、CALLANの「C」も同時に浮かび上がります。「木槌」も法律事務所のロゴだとスタンダードなモチーフなのですが、こういう使い方は遊び心が感じられるロゴですね。
■ライオンをモチーフにした士業ロゴ
こちらの法律事務所のロゴは「ライオン」から連想される「王者」というイメージを刷り込まれるような力強いロゴです。「士業っぽいか?」といわれるとファッションブランドのような印象も受けますが、ロゴは前述の通りその企業なりブランドの「唯一無二」性を示す機能を担っています。あえて「士業っぽくない」モチーフを選ぶことで「あのライオンマークの法律事務所だ」と幅広く認知されるなら、企業ロゴとしては成功と言えるのではないでしょうか。
■アルファベットをモチーフにした士業ロゴ
上図の法律事務所のロゴの赤部分にご注目ください。「F」も見えれば「R」、「A」、「N(やや苦しいですが…)」、「K(同じく苦しいですが…)」、「E」、「L」が浮かんできませんか?一見するとなんの変哲もない幾何学模様ですが、法律事務所の名前で構成されているようにも見えます。洒落っ気のある「知的」な印象を受ける士業ロゴですね。
こちらはポーランドのデザイナーによるロゴだそうです。色遣いにはどこかポップな印象を受けるので親しみやすさが感じられます。「F」、「K」、「A」の各イニシャルの一部を削り取ったデザインですが、一部を隠すことで逆に見る人の意識を惹くという心理効果もあるように感じます。思わず立ち止まって考えたくなるロゴですね。
こちらはLAのデザイン集団「Hoodzpar」(フッズパー)のアーティストによってデザインされた法律事務所のロゴです。事務所の理念を表したものらしくやや抽象的なデザインになっておりますが、微妙に濃淡を使い分けた色の使い方がとてもかっこいいですね。
まとめ
企業ロゴに関する認識は各人さまざまで「大事なブランディングの一環」と考える方もいれば、「名刺のお飾り」くらいに考える方もいらっしゃいます。しかし世間に目を向けてみれば、有名企業がロゴを変えるとお決まりのように消費者から「不評」の声が上がります。運営年数が長く続けば続くほど、ロゴは企業側の想定以上に顧客間で親しまれ、深く定着していくものなのですね。
そういった点から士業ロゴも、50年/100年経っても見劣りしないデザインにこだわっておくことも大事なことではないでしょうか。