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なぜ士業を萌えキャラ化?【士業娘】あの「運営の人」へインタビュー

各士業を擬人化した萌えキャラたちがそれぞれの活動をアピールする【士業娘】。TwitterやFacebookにて、弁護士を萌えキャラ化した「弁護士娘」などの愛らしいイラストが各士業関係者にとどまらず、一般ユーザーの間でも話題となっています。

【士業娘】はこれまで士業界にはなかった手法での士業PRの試みとなりますが、各SNS上での反応を見るとこうしたプロモーションを歓迎する各士業関係者の声が目立ちます。

弁護士娘

さてそんな【士業娘】はどのようにして生まれたのでしょうか?運営者である「運営の人」にインタビューを行いました。

【士業娘】「運営の人」へインタビュー

【士業娘】誕生のきっかけ

Q.まず始めに「士業」を擬人化して萌えキャラ化する【士業娘】プロジェクトを始めようとされたきっかけとはなんだったのでしょうか?

A.きっかけになったのは、Facebookページの存在を知ったことです。

調べてみると簡単にFBページを開設できるのが分かったので何か始めてみようと思ったのですが、せっかくやるなら人がやっていないようなことをしてみようと思いました。

Q.「艦これ」の爆発的なヒットを受けて数多くの「擬人化美少女キャラ」が派生しました。しかし【士業娘】のFacebookページを見ると開設されたのが2012年8月。もちろんそれ以前にも「擬人化美少女キャラ」はあったわけですが、「艦これ」の正式リリースは2013年4月ですので、ある意味「艦これ」を先行していたことになりますね?

A.たまたま私はイラストが描けたので、イラストを使う方向でFacebookページの運営を考えてたところ、ちょうど当時はAKB48がブームでした。なので「士業というカテゴリをアイドルグループのようにしたら面白いのでは?」と思いついて、カタチにしたのが【士業娘】でした。

【士業娘】プロジェクトイメージ

▲「₍左から₎行政書士娘さん、中小企業診断士娘さん、社労士娘さん、技術士娘さん」

Q.中小企業診断士でもある「運営の人」のこれまでのキャリアと【士業娘】がうまく結びつかないのですが、そもそもなぜ萌え絵をお描きになれるのでしょうか?

A.よくそういった質問をいただきます。実は学生時代、広告代理店に勤務する先輩の紹介で似顔絵を描くアルバイトをしていました。自動車ディーラー向けのイベント企画で、おそらく年間50回近く描いていたと思います。1日のイベントで20枚前後描きますので、1年で1000枚ぐらい描いていたことになります。要するに模写が得意なんです。萌えキャラについては、描き方を解説した書籍がたくさん出版されていたので、購入して練習しました。

Q.例えば【士業娘】の「行政書士娘」さんには「行政書士っぽさ」が、「弁護士娘」さんには「弁護士っぽさ」をうまくイラストにすくいとって表現されています。こうした士業の萌えキャラを作る上で意識されていることなどありますか?

A.実際の士業の方からもそのような感想をよくいただいています。【士業娘】を描くときは、その士業に対して世間が感じているイメージに近いかどうかを意識しています。そのため萌えキャラとしては地味だなとは感じることがありますが、反応を聞いている限りかえって地味くらいでちょうど良かったのかもしれません。

測量士娘と公認会計士娘

【士業娘】の運営について

Q.「運営の人」はご本業がお忙しい中【士業娘】の制作運営をされているわけですが、【士業娘】に割く時間はどのようにお作りになっているのでしょうか?

A.【士業娘】たちはスーツや作業着が多いので、実はそれほど時間がかかっていなかったりします。運営についてもFacebookは週1、2回、ツイッターも1日3回程度の投稿なので、さほど時間はかかっていません。

Q.「運営の人」のマーケティングコンサルタントとしてのご本業を考えると、一連の【士業娘】のソーシャルプロモーションの盛況ぶりには緻密な計算があるのではないか、などとつい邪推してしまうのですが…

A.実は【士業娘】を始めた時は、自分を覚えてもらうために使っていました。【士業娘】の名刺を作成して士業の集まりなどで配ると、相手の記憶にはほぼ100%残ります。中にはFacebookのタイムラインに流れてくる【士業娘】の投稿を見ていて、運営者に会えて感激だと言ってくださる方もいます。

Q.一方【士業娘】はいい意味での「ゆるさ」も感じられるのですが、ズバリどこまで「仕掛け」として意図なさっていたのでしょうか?

A.「仕掛け」として考えていたのは、私が資格をもつ中小企業診断士に限定せず幅広く士業を対象とすることです。最初から全部の士業は描けませんから少しづつキャラを増やしていくことになるのですが、増やすたびにその資格を保有する士業の方からお礼を言われたり、まだ描いていない士業の方からリクエストをいただいたりします。こうして【士業娘】を媒介として士業だけでなく一般の方ともコミュニケーションしやすい環境を構築できたと思っています。

また士業全般を対象にすることで、投稿するネタに困る状況を少なくしようと考えていました。「士」がつく資格は国家資格だけでも100を超えています。ネタに困ったら新しく【士業娘】を増やせばいい訳ですから。

【士業娘】の活用法とその未来

Q.士業応援というコンセプトをもつ【士業娘】ですが、各士業の先生がたにどのような「活用」のされ方を想定していらっしゃいますか?

A.士業は基本的に「(その個人の)能力、信用、人脈」で成り立っているので、マーケティング力より営業力が重要だと思っています。その意味では、既に顧客基盤を構築されているベテランの先生より、士業になりたての先生の方が活用の機会が多いかもしれません。

ただ正直私も士業の先生が【士業娘】をどう使いたいと思っているかは分からないことが多いので、使用する時などに相談してもらえたら嬉しいです。

Q.現在寄せられている「士業娘」の反響は「士業の方/一般の方」の割合でいうと、どちらの反響が多いのでしょうか?

A.Facebookページでは士業の方からの反響が圧倒的に多く、ツイッターは一般の方が多いようです。

Q.【士業娘】のFBページに「目標は出版!」と書かれていますが、士業関連のビジネス書でしょうか?それとも【士業娘】たちの日常を描いたマンガだったりするのでしょうか?

A.おかげさまで【士業娘】の運営を通じて出版社の方との繋がりもできましたので、書籍を出す足がかりはできました。出版できるかどうかは企画と時間次第ですが、マンガは時間の制約上、難しそうです。

Q.【士業娘】からの派生としてYoutubeでは「士業娘リアル」も展開されていますが、これ以外にも【士業娘】の今後の展開などはありますか?

A.個人的にはスマートフォン向けゲームになって欲しいなとは思っています。戦艦が萌えキャラになってブームになる時代ですから、士業も十分に可能性はあるのではないかと思ってます。その実現のためにはゲーム製作会社が興味を持つぐらい【士業娘】の認知度を上げていく必要があるかと思いますが。

■【士業娘】の活動

・FBページ https://www.facebook.com/shigyomusume

・Twitter https://twitter.com/shigyomusume/

・【士業娘リアル】Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCC_OFu5Liq1oip_9rsW0DHw/feed

【士業娘】は士業および士業関連団体による利用に関して、多数のイラストがフリーで提供されています。

₍※詳細は【士業娘】FBページをご覧ください₎

インタビューを終えて

「士業」と「萌えキャラ」は一見唐突に見える組み合わせかもしれませんが、同時にこれまでの「士業観」が大きく変容し始めている証拠とも言えるかもしれません。そもそも士業界の内外で「敷居の高さ」や「専門家しかわからない特殊な業務」というイメージを突き崩そうという動きは近年顕著にみられる傾向です。

 こうした流れの中で「士業」と、もはやコンテンツ産業の中核を担い始めたと言ってもいい「萌え文化」。この両者の結びつきに緩やかな必然性を感じる方は少なくないのではないでしょうか?

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