今、web広告業界で注目を浴びているLPOはご存知ですか?
LPOとは、企業が出すLP(ランディングページ)を最適化するための様々なアプローチです。たとえば、問い合わせボタンをクリックしやすく配置したり、ユーザーに不快感を与えないよう不要な要素(バナーなど)を極力排除したりと、多くの手法が考案され、実績を出しています。
今年からサービス開始したブラウザ上でホームページを作ってそのまま公開できるサービス【ペライチ】を使えば、誰でも無料でLPを作ることができます。このペライチは士業の方々がリスティング広告を打つ上で、上記のLPOとかなり相性が良さそうです。
今回はこの【ペライチ】を使って、架空の法律事務所のLPを作ってみました。リスティング広告でLPOを活用するアプローチ例として参考にしてみてください。
【ペライチ】
リスティング広告戦略に一石を投じる【ペライチ】とは?
ペライチは、一枚構成のホームページを無料で簡単に作れるサービスです。使い方はとても直感的なので、初心者でもクオリティの高いホームページが作れます。
さて、LPOとして注目されているのが、リスティング広告の検索ワードによって表示させるLPを変える手法です。たとえば、ある法律事務所が、「うちは離婚問題に強い法律事務所です!」と「うちは交通事故問題に強い法律事務所です!」という2種類のLPを持っていれば、「弁護士 離婚」と検索するユーザーに対しては前者、「弁護士 交通事故」と検索するユーザーには後者、というように、ユーザーに応じて最適なLPを見せることができるので、ターゲットを絞った効率的なマーケティングが行えるのです。
ちなみに大手の法律事務所もリスティング広告にてこの方法を導入しているようです。いまや専門性を打ち出しことは、特に弁護士人口が集中している東京にて、弁護士の武器となるのではないでしょうか。今回は直感的にLPを作れるペライチを使って、2種類のLPを作ってみることにしました。
【ペライチ】で訴求力の高いLPを作ってみる
【ペライチ】に無料会員登録し、ホームページ作成画面に移ると、10種類以上もあるテンプレートが用意されています。1から作るもよし、カフェの宣伝用に作り込まれたテンプレを使うのもよしです。売り込みたい商品に合わせて最適なものを選びましょう。
ファッション用やキャンペーン用、イベント用のテンプレートもあります
せっかくなので1から作ってみました。【ペライチ】のホームページは複数のブロックで構成されていて、「ブロックを挿入」ボタンを押すことで、新しいブロックをページに組み込むことができます。
今回は一から作ってみます。
ブロックとは、ペライチに元から用意されているテンプレート素材です。画像を埋め込むテンプレ素材や、SNSボタンなど、使えそうなものが充実しています。写真や動画の挿入はもちろん、各種パーツの編集(色の変更や文字の大きさの変更など)も可能になっています。
ブロック(テンプレート素材)はこんな感じ。既にオシャレな形になっている。
ページのトップ画像はLPの顔です。トップ画像でいい印象を与えられればそのままスクロールしてもらえるでしょうし、その逆ならばユーザーはその場で離脱してしまいます。今回は事務所の強みを全面に押し出し、メッセージ性の強い写真を使いました。
トップ画面。親権問題、京都駅前を前面に押し出し、清潔感のある画像にしました。
LPOとして気をつけたのは、「お問い合わせボタンの色と文言」です。色は、とにかく目立つ色にします。数種類ある色パターンを全て試してみて、一番このページで映える色を選択しました。また、いきなり電話相談はハードルが高いと思ったので、「無料メール相談」という、比較的クリックしやすい文言にしてみました。
次のブロックには何を入れましょう。
「弁護士 離婚」でリスティング広告を出している事務所のLPを分析してみました。競合調査です。上位表示されているLPに多かった内容は、依頼者の悩みを羅列する項目。
→ 浮気をされた! 離婚したいけど、慰謝料はもらえるのでしょうか。
→ 突然離婚を告げられた。許せない!
→ 子供だけは必ず引き取りたい。
など、相談が多そうな悩みを羅列しているパターンが圧倒的に多かったです。これは弁護士事務所の仕事内容をそれとなく提示できる上に、ぴったりの悩みを持った方の心をがっちり掴めるいい方法ですね。
【ペライチ】にちょうどいいテンプレ素材があったので取り入れてみました。
定番の顧客のお悩み集。「お悩み」という言葉は多くのLPで使われていました
事務所を信用してもらうために、実績を押し出すのは一つの有効な方法です。「メディアに取り上げられた」や、「年間何百件の依頼を受けている」など一言入れておくと社会的な保証として信頼感を得やすくなります。
架空の法律事務所なので、内容は多少盛っています。
ということで、実績と弁護士事務所のアピールポイントを押し出してみました。ここでは、弁護士が選ばれる理由として人気の「離婚問題専門」「離婚後のサポート」「分かりやすい料金システム」「女性弁護士」「駅チカ」「丁寧な説明」を使いました。定期的にお問い合わせボタンを目立つように配置しておくのがLPOのミソです。
LPは縦に長すぎると長さに比例してユーザーの離脱率も上がってしまうので、そろそろ最後のブロックに入りたいと思います。(楽天の商品ページのようにあえて長いページをLPにするという手もあります)
ここでは、アクセスと初回相談料を載せました。分かりやすい料金システムというからには、料金プランははっきりさせておいた方がいいので。最後のひと押しで、お問い合わせボタンを追加します。最下部のSNSボタンはテンプレ素材として追加できるようになっているものです。
以上で離婚問題に強い法律事務所のLPは完成しました。では、このLPを基本にして交通事故問題に強い法律事務所のLPも作ってみます。すこし修正するだけでよいので、すぐに2つ目は完成しました。
離婚問題用LP(左)と交通事故問題用LP(右)
トップ画像を変更するだけで印象が変わりました。トップ以外は、ほとんど同じ素材を使って、同じ構成にしたので時間はそれほどかかりませんでした。追加するブロックは、色の変更や写真の変更ができるのである程度の自由度がありつつ、テンプレから作っていけるので大きな失敗はしません。これでリスティング広告に出したい案件に応じていくつでもLPを量産できますね。
無料プランと有料プランの違い
ペライチには有料プランが3種類あります。980円/月の通常プラン、1980円/月のプレミアムプラン、4980円/月のスペシャルプランです。有料プランでは、独自のドメインの登録、文字のフォントの変更、HTML,CSS,JavaScriptの埋め込み、入力フォームの使用などが可能になります。
有料版のお試し期間中は無料プランに変更しても、退会しても料金がかからない。
無料プランでの一番の壁は公開ページ上限数が1ページしかないということです。ペライチを使って大手の事務所のようなLPOを始めるなら、3ページ分は公開できる通常プランは最低限必要になります。有料プランは30日無料でお試しでき、年契約割引を使えば一万円弱/年なので、それほど高くはないと思います。一度無料で作ってみて、もし必要性を感じたら有料プランに移ってもいいでしょう。
もちろんより高度にカスタマイズされたLPを作りたい方や、そもそも自分で作るのが億劫という方は制作会社に頼んでみるのを考えてみてはいかがでしょう。LPだけなら比較的安価で依頼できます。
最後に
いかがでしたか? 士業がリスティング広告でマーケティングをするならLPOはますます重要になってくることでしょう。今回は主要なポイントを押さえながら実際にLPを作ってみました。
今回のLPOで気をつけたポイントは以下の通りです。
- 自事務所の強みとなる要素(専門性、駅チカ)をトップに持ってくる。
- お問い合わせボタンの色は目立つ物を使い、複数表示。
- お問い合わせボタンの文章は、気軽にクリックできるような文章にする。
- 不要な要素(バナーやメニューバーなど)を極力入れないようにする。
- 縦スクロールを長くさせすぎない。長さに比例してユーザーは離れてしまう。
- 文字には基調の色を多用し、長文を減らしてシンプルで見やすいLPに。
- 写真はそれだけでメッセージを補えるようなものを選択する。
- 親近感を持ってもらえるような要素を入れる。
競合の分析をする過程で気付くことも多いと思うので、是非お試しください。