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士業界はこの10年で激動期入り!生き残りのマーケティング戦略

かつて「資格があれば安心」というキャッチコピーが耳目を引いていましたが、今になって冷静に振り返ると「一体何が安心なんだろう?」と不思議に感じる士業の方も多いのではないでしょうか?それもそのはず。士業界は今「資格があるだけじゃ安心できない」新たなフェーズに突入している可能性があります。まずは士業界の現状を確認することにしましょう。

ここ10年の弁護士、行政書士は激増ペース!

かつては資格を取って看板を出せばそれなりに問い合わせの電話が舞い込んだ士業ですが、この10年で士業界は激動期入りの兆候が顕著になりつつあります。

弁護士の増加数と増加率グラフ日弁連発表の統計を参照)

図は10年スパンで区切った弁護士の登録者数の推移と、その変動率をグラフ化したものです。2004年~2014年の直近10年間は20,224人 →35,045人で73.2%の急増となりました。過去50年間の中でどのスパンよりも変動の大きい10年間となったことがわかります。

弁護士以外の士業においても同様の増加傾向が見られ、税理士では2000年から2013年の13年間の間に14.3%の増加、行政書士試験の合格者にいたっては2004年から2014年の10年間に106.1%もの増加となっています。

この10年間にはサブプライムローン問題に端を発する世界的な不況が含まれています。つまり厳しい雇用情勢を少しでも有利に運びたい意図から「士業資格」に対する需要が高まったことが背景として考えられますが、過剰ともいえる人材の流入は士業界を取り巻く環境自体を変化させてしまったのかもしれません。

それだけではなく、ここ数年で急速に広がりつつあるもう一つの傾向として、「士業事務所の総合化/巨大化」があります。これは欧米ではすでに一般化しているようですが、複数の会計事務所や法律事務所が集まり、お互いが苦手分野を補う形で一つの事務所として統合する流れです。こうなると依頼者にとっては事務所をたらい回しにされることなく便利なのですが、一方で専門分野によって受けられる案件が限定されてしまう個人事務所にとっては強力な競合の出現という事態になりかねません。

以上のように、現在士業界には「新興組」と「大手組」という二つの競合相手が顕在化してきたことは大きな傾向と言えるでしょう。

しかしながら、競合がいるからと言って悲観的になる必要はありません。そもそもどの業種にも競合はつきもの。人材の流動性の高まりと競争を通して市場は効率化され、その時代に合った新しい適正水準に更新されるのは世の常です。裏を返せば、この士業界の激動期を大きなチャンスに変えることも可能なのです。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」。これからご紹介する「USP」というマーケティング概念を自分だけでなく、競合相手にも当てはめながら、マーケティング戦略を練っていきましょう。

士業生き残りのマーケティング戦略「USP」

万能型にはない魅力

「士業はクリエイティブワークだ」とおっしゃる方は少なくありません。実際法解釈や税務処理にはその人の「個性」が現れることが多々あります。

ただしここで大切なのは、「ユニークである」ということは同時に「万能であろうとしない」ということでもあります。もっと言うなら、「幅広く何でも対応できます!」は「これといったものがありません」とも同義なのです。

この発想は業務範囲が広い弁護士や行政書士においては特に重要となるでしょう。マーケティングを考える時は幅広く対応できることよりも、「遺産相続といえば〇〇事務所」、「刑事弁護といえば△△事務所」と依頼希望者に連想されることのほうが価値が上になります。

またユニークであるということは、昨今急速にそのニーズが拡大しつつある「インターネット上の民事トラブル」に対応できる法律関係者などのように、新しいニーズに対応することでも一時的に得られるでしょう。

殺し文句がある

続いてS=(Selling)ですが、単にユニークであるだけでは競合にうち勝つことはできません。その分野で専門性が高い法律事務所でも法外な相談料をとられるなら多くの人は依頼しようとしないでしょう。

もちろん安売りするだけが「売り」となるわけではありません。例えば税理士を例にとると、依頼者は同じお金を払うのなら、自分と同じ業界の案件を数多く担当している税理士を選びたがるのではないでしょうか?

それは税理士業務以上に「あの税理士さんに聞けば、他社の財務状況などから何か経営上のアドバイスをもらえるかもしれない」という連想が働くからです。この「S」とは「他の競合に頼むよりも、ウチに頼んだほうがあなたの得になりますよ」と主張することとほぼ同義です。

行動を起こしてもらう

 最後のPは「proposition」のことです。英和辞典を引くと「提案、提議、命題」とありますが、ここではあえて「行動計画」と訳しておきます。

 つまりこの「P」はこれまでの総仕上げです。「私にしかできない解決₍=Unique₎」を「魅力的な付加価値(=Selling)」を添えて「あなたのこれからの行動計画(=Proposition)」として示すこと。

 それが各士業の「USP」なのです。具体的にマーケティング戦略のイメージが湧いてきたでしょうか?すでに強力な競合相手がいる場合も、そのUSPを分析することで勝負する土俵を外したり、競合相手に勝る「USP」を練り直すなど対策のとっかかりが見えるはずです。

 今回のまとめ

  1. 士業界はこの10年で激動期に入った可能性が濃厚
  2. 差別化のマーケティング戦略で生き残りを!
  3. 激動期はシェアを伸ばすチャンスもあり!

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