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アクティブサポートとソーシャルリスニングで、顧客と1対1の対話を

ソーシャルメディアの普及のおかげで、事業者は顧客の声を手軽に知ることができるようになりました。少し前までは、顧客の声を聞くためにはアンケートやグループインタビューを行う必要がありましたが、ソーシャルメディアを積極的に利用することで、コストをかけず、自然な形での意見収集ができるようになったのです。そこで注目されているのが、アクティブサポートとソーシャルリスニングです。事業者側が顧客の疑問や不満の声を見つけ出し、解決していくのが「アクティブサポート」。顧客の声を調査・分析し、商品やサービスの改善に生かしていくのを「ソーシャルリスニング」と呼びます。これらの取り組みは大規模なものから小規模なものまでさまざまあります。ここでは、小規模な会社でも活用できる新しい形のマーケティング手法として、アクティブサポートとソーシャルリスニングをご紹介したいと思います。

「アクティブサポート」と「ソーシャルリスニング」とは?

クレームが来てから対応する、という受け身のサポートとは違い、アクティブサポートとは、積極的に事業者から顧客へアプローチしていくものです。主に、ソーシャルメディア上でサービスや商品に寄せられた、疑問や問題点に対し、返信を行います。情報収集したのち、顧客の意見を分析し、問題点を改善していく取り組みは、ソーシャルリスニングと呼ばれています。数多くあるソーシャルメディアの中でも、特にTwitterは、匿名性が高く、リアルタイムの情報が簡単に集められるので、顧客の声を集めるのに適したメディアだと考えられています。

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大規模企業での実践例

あるアメリカの航空会社は、乗客がTwitterに書き込んだクレームを見つけた際、すぐさま、Twitter上でその乗客に対し謝罪を行いました。そのツイートを見た乗客は航空会社に好感を持ち、この件を広く拡散したのです。天候によって運行が左右されやすい航空機にはトラブルがつきものです。そのため、アメリカではアクティブサポートを実践する航空会社が多く、ついに、日本でもANAが2012年にアクティブサポートサービスを開始しました。1日に何件もの運行情報の報告が行われ、ユーザーとの会話もたびたび見られるアカウントになっています。

アクティブサポートやソーシャルリスニングを取り入れている大手企業はたくさんありますが、無印良品はその両方を実践している企業の一つです。無印良品は公式のTwitterアカウントを開設し、主に新商品の宣伝や店舗情報の発信などを行っています。それに加えて、ユーザー個人からの質問、問題の指摘に対しても返信を行ったり、他にも、ユーザー個人との気軽な会話を行うことで積極的に関わり合いを持っています。ソーシャルリスニングの取り組み方は企業によってさまざまですが、無印良品の場合は、顧客の声としての量は必ずしも多くなくても、「ユーザーが心の中に抱く思い」をソーシャルメディアの中から発掘することに価値を見出している、と良品計画のWEB事業部コミュニティ担当の風間浩太氏は言います。

小規模企業は情報が少ない

以上、大手企業が実践するアクティブサポートやソーシャルリスニングについて、お話ししましたが、最後に、中小規模の事業者も気軽に実践できる取り組みをご紹介します。大規模企業に比べて、絶対的な情報量が少ない分、さまざまな観点から自社に関連する情報をかき集める必要があります。

関連ワードから辿る

まずは、自社名、商品名、サービス名などをTwitterの検索機能にかけてみましょう。中小企業の場合、それだけではほとんど検索に引っかからないこともあるので、関連する検索ワードを色々試しながらユーザーを辿っていきます。そこで、ユーザーを見つけられれば、アプローチを行いましょう。もちろん、全てに返信する必要はありません。答えやすい疑問や不安に対して、能動的に関わっていき問題を解決するのがベストです。これだけでも立派なアクティブサポートになります。

これがFacebookの場合なら、投稿についたコメントに返信したり、また「イイね!」がたくさんついた投稿/つかない投稿を検証してみるのもいいかもしれません。

ソーシャルメディアの分析を行うと、自社の仕事、商品、サービスが一般的にどのように思われているかを知ることができます。それを踏まえて、多くの人が疑問に思っていたことを解消するような情報を発信したり、顧客のニーズに合わせたサービスの改善や、広告の最適化などができるでしょう。ソーシャルリスニングを行うことで、もしかしたら、面と向かっては言えないような顧客の本音が垣間見えるかもしれません。

今回のまとめ

  1. アクティブサポートは顧客の声に耳を傾け、積極的にアプローチする取り組み
  2. ソーシャルリスニングはソーシャルメディアでの顧客の意見を調査・分析する取り組み
  3. 中小企業に関する情報量は少ない分、さまざまな観点から情報を集める必要がある

<参考サイト>

潜在的な顧客インサイトが需要創造のチャンスを生む

   ──無印良品にとってのソーシャルリスニングの価値とは
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1311/08/news006.html

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